第1296回例会 移動例会 場所:国分寺台商店街 アンカー


皆様、こんにちは このたびは、このような形で開催をさせていただきました。
ゲストとして、市役所の方にもお越しいただいております。具体的には、海老名市役所の「学び支援課」さんと「福祉政策課」さんにご参加いただいております。また、社会福祉協議会からもお二人にお越しいただいています。
さらに、食品の提供にご協力いただいている企業様として、「栄や製パン」さんからもお二人ご参加いただいております。
この事業は、「ロータリー地区補助金事業」と言いまして、少し聞き慣れない方もいらっしゃるかと思いますが、本日資料を一つご用意しておりますので、そちらをご覧いただければと思います。今回の事業では、この補助金を活用して「冷蔵庫」と「冷凍庫」を設置させていただきました。運用は昨年の8月末頃から開始しております。
地域の皆様や会員の方々にもご協力いただきながら、食品ロスの問題を解消・解決するために、この冷蔵庫・冷凍庫を活用してまいりました。皆様のご協力により、成り立っている事業です。
そして本日は、全体としては3回目の開催になります。
これまで冷蔵庫や冷凍庫を設置したことにより、どのような変化があったか、どのような成果が出ているかを振り返り、今後もこの事業を継続的に進めていくための「報告会」として、このような形で開催させていただくことになりました。
ご多忙の中、多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございます。
この後は、実際の事例として「アンカー」さんの方から2~3名の方に発表していただき、この事業がどのように広がっていくのかを皆様と共有したいと思っております。
そして、今後もご参加・ご賛同いただける方には、ぜひ引き続きご協力を賜れればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
よりっじ

じゃあ、まずは自分たちの学童に通ってきてること、学習・生活支援事業に通ってきてる子たちのことについて少しお話させてもらいます。
まず、これはアンカーの写真なんですけど、アンカーは小学生が放課後に来る学童保育所です。学童の在籍人数は大体100名くらいで、帰ってきた子どもたちは遊んだり、おやつを食べたり、宿題をしたりしながら生活しています。


左の写真は、実際に子どもたちと一緒に外遊びをしている様子です。外に出た時は、スタッフも子どもも一緒になって遊びます。右の写真は、みんなで餃子を作っている写真です。これは新一年生の交流会の様子で、入所前に集まってお話したり、交流を深める機会になっています。
在籍している子どもの中には、単身家庭の子が大体20名ほどいて、約4人に1人が海老名市から経済的な支援を受けながら学童保育を利用しています。
次に「パドル」ですが、こちらは生活困窮家庭の中学生を対象とした事業で、勉強のサポートや居場所の提供を行っています。
左の写真は、スタッフが子どもに勉強を教えている様子。右はケーキ作りの写真で、これはある子どもから「おじいちゃんの誕生日にケーキを作りたい」という声があって、みんなでケーキを作ってお家に持ち帰って食べたものです。
パドルが始まった理由は、小学生だった子どもたちが中学生になったとき、支援の継続が難しいという課題があったからです。そこで中学生も支援できる場を設けようということでスタートしました。
現在パドルには最大で25名の子どもたちが来ています。様々な背景を持つ子どもたちがいて、例えば、お家で十分な食事をとることができない子、お母さんが朝から晩まで働いていて生活リズムが崩れている子、引きこもりがちで外との関係が薄い子などがいます。
その中でも印象的だった子を一人紹介させてください。
その子は中学3年生の女の子で、お父さんとお母さんに障害があり、就労が難しい家庭環境でした。祖母がサポートしていましたが、交通事故で入院してしまい、女の子が家事や弟妹の面倒をみるようになりました。その結果、学校に行けなくなったり遅刻が多くなったりしました。
こうした子どもたち一人ひとりと向き合いながら、話を聞いたり一緒に考えたりし、まずは信頼関係を築き、ここが居場所になればという思いで活動しています。
そんな中、自分たちにできることは何かと考えたとき、「衣食住」の中から“食”に注目しました。
お腹が空いているとやる気も出ないし、次の動きもなかなかできません。食べることは生きることに直結しています。だからこそ、“食”というテーマでアプローチすることにしました。
左の写真は卵焼きを作っている様子、右は夕飯の提供をしている様子です。食事を通じて笑顔になり、元気が出る。そして、みんなで食べることで楽しさも増します。
その中で、自分たちは「冷蔵庫の設置」にたどり着きました。設置することで、食材を必要な人が必要なタイミングで取りに来られるようになり、企業や生産者も都合の良いタイミングで提供できます。結果的に企業と消費者をつなぐ橋渡しにもなります。
「よりっち」という名前は、「寄り道できる冷蔵庫=フリッジ」からきています。また、「ブリッジ(橋)」という意味もかかっています。
生産者や提供者と、実際に使う人たちとの間に橋がかかっていけば、という思いを込めています。
加えて、農林水産省からの備蓄米を活用し、食育活動として各家庭への配布も行っています。お米と一緒に、ふりかけや海苔なども配っています。
現在ご協力いただいているのは、海老名欅ロータリークラブさん、いちご農家のワタナベさん、酒屋製パンさんです。
ロータリークラブさんには冷蔵庫・冷凍庫の設置をご協力いただきました。設置されたときは、本当に信じられない気持ちとともに、これからの食支援の広がりを実感しました。子どもたちは中身を毎日楽しみに確認しています。
また、卵やお菓子の寄付、ハロウィン行事の支援もしてくださっています。
ワタナベさんは、いちご農家で、ご夫婦で営んでいます。傷や規格外のいちごを冷凍し、ジャム用として提供してくれています。子どもたちはそのいちごでジャムを作り、ジャムパンやいちごミルクとして楽しんでいます。
酒屋製パンさんは、給食用に余剰で作ったパンを週2回提供してくださっています。子どもたちはトースト、サンドイッチ、フレンチトーストにアレンジして楽しんでいます。
生活困窮家庭にもパンを持ち帰ってもらっており、子どもたちや保護者からは「ありがたい」との声が多数あります。
物価が高騰する中、家庭での夕食がご飯と海苔、味噌汁、冷凍野菜だけという家庭もあります。主食を買うのが精一杯という声や、子どもの好きなおかずを作ってあげられないという声も聞かれました。
そうした家庭をサポートするためにも、この活動を今後も大切にしていきたいと思っています。
そしてこれからは、この受け取った「気持ち」を次の誰かに届けられるような活動に広げていきたいと思い、夏には“いちごシロップのかき氷”を作って、地域の方に届けたいと考えています。
子どもたちと一緒に、シロップ作りから提供までを体験しながら、楽しんでもらえる場をつくりたいと思っています。
ぜひ、その際は食べに来ていただけたら嬉しいです。

栄屋製パンの吉岡と申します。ロータリアンとしての立場でもございます。
本日はこのようにお招きいただき、ありがとうございます。
海老名欅クラブの皆さまの活動について、先ほどお二方からのご説明もありましたが、お話を伺いながら、心から敬意を表したいと思いました。本当に素晴らしい活動だと感じております。地域の皆さんに対してこういった取り組みをされていること、素晴らしいと感動しました。
当社は地域の皆さまに支えられて、創業から100年以上の歴史を持つ会社です。その感謝の気持ちを、何かしらの形で地域にお返ししていくということを、会社の基本理念として常に大切にしています。
ただ、私たち事業者は、困っている方や支援を必要としている方々と、なかなか直接つながる機会がないのが現実です。
そうした中で、佐藤さんが橋渡しをしてくださり、このような形で皆さんのお役に立てる機会をいただけたこと、非常に嬉しく、充実感を持っております。
今後も、もし私たちにできることがあれば、積極的に関わっていきたいと思っています。
おそらく、私たち以外にも同じような思いを持っている事業者さんはたくさんいらっしゃると思います。そういった方々が参加しやすいような「プラットフォーム」のようなものがあれば、もっと多くの協力が得られるのではないかとも感じました。
微力ではございますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
出席報告
会員総数 | 出席 | 出席率 |
35名 | 26名 | 74.29% |
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